導入(開催背景)
2023年3月7日、群馬県高崎市にある「エコラボカフェ」にて、「脱炭素まちづくりカレッジ in 高崎@エコラボカフェ」を開催いたしました。
本カレッジはissue+designの主催で、群馬県内の公認ファシリテータとの協力で実施しました。2022年度に群馬県と共同で実施した「環境SDGs・脱炭素まちづくりファシリテーター」育成事業で、20名の公認ファシリテータが誕生しました。
県内のファシリテータ同士で情報交換をする中で、県内の中核都市のひとつである高崎の皆さんに届けたいと思い、今回実施するに至りました。
PLAY!の様子
会場のエコラボカフェは、その名の通り日中はカフェとして営業しており、閉店後に店内を少しアレンジして「PLAY!」を実施しました。
参加者は高崎を中心に県内各地から集まり、学校の先生や企業経営者、地方議会議員など様々なバックグラウンドの人が集まりました。まずイシュープラスデザインの大野による気候危機・脱炭素に関する基礎知識に関するレクチャーの後、すぐゲームが始まりました。
ゲームが始まるとすぐカードの交換が始まり、運営事務局の前にはプロジェクト実施のための行列ができました。しかしその中には、排出量が逆に増えてしまう通称「トラッププロジェクト」が紛れていて、「がんばってプロジェクトを実施したのに、なぜ?」という困惑の表情を浮かべる方も多くいました。
それでも、排出効果の大きいスペシャルプロジェクトカードが場に出回って達成されると、まちの排出量もどんどん下がっていき、ゲーム終了の瞬間までプロジェクトを実施する列ができるほど熱気が生まれました。
今回は現実でも仕事としてまちづくりに取り組む方が多く、ゲームの最中にも「今度これをやろう!」という話が始まるなど、現実とゲームの世界が同時に変化していくダイナミックな場となったのが印象的でした。
振り返りの様子
ゲーム終了後は振り返りを行い、明日の行動を考えるきっかけをつくりました。限られた時間でしたが、「一人でやることの限界について腹落ちした」「プロジェクトカードを見ると、明日から地域でできることがあることに気づいた」などのコメントが聞かれました。
脱炭素に関する当初の理解度もばらついていましたが、それぞれの関心事項や普段の活動と紐づけて、明日からできることを言葉にしていただく時間になったのが印象的でした。
終わりに(ファシリテーターとしての感想)
今回が主催者として初めてのカレッジ開催でしたが、とても多くの方にご参加いただきました。
その中には、スポーツによる地域活性化をミッションに仕事をする方、地域の困りごとを丁寧に聞き取って市政に反映させる議員の方、地球環境の尊さを日々子どもに伝える先生など、異なる現場で異なる目標に向かってご活動されている方が集まる場になりました。
カレッジが無ければきっと出会うことがなかった人同士が出会い、取り組みを構想し、現実が少しずつ変わり始める瞬間を見られたことは大変幸せでした。
社会の関心テーマは移ろいやすく、常に脱炭素が中心テーマにあるとは限りませんが、こうした取り組みを続けた先に、脱炭素の取り組みが私たちの常識として定着し、あえて話題にする必要がなくなっていく未来を創れるのだと感じました。
ファシリテーター紹介
大野友
【主な活動】
慶應義塾大学大学院SDM研究科後期博士課程・助教(有期研究奨励)、NPO法人イシュープラスデザイン リサーチャー。宇宙から取得できる位置情報ビッグデータ等を活用して、環境に優しい都市モビリティの最適配置をテーマに研究を行っています。
現在は群馬県を拠点の一つとして、学術研究とワークショップによる啓発活動を通じて持続可能な社会のデザインに取り組んでいます。
【ファシリテーターになったきっかけ】
昔から地球温暖化をはじめとする環境問題に関心があり、群馬県で昨年実施したファシリテータの養成事業に参加しながら資格を取得しました。
イシュープラスデザインではその他にも防災をテーマとした「風水害24」や「認知症世界の歩き方」のファシリテータ資格を持っていて、ともに群馬県内の実践活動を支援しています。
【プロフィール】
2017年に大学卒業後、宇宙から取得できるデータを使った社会課題の解決を志し、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の修士課程で地域資源(人・モノ・情報など)を可視化・最適化するしくみのデザインを研究(2020年修了)。
現在は同研究科で都市の移動機能をいつ、どこに置くかをダイナミックに最適化する手法を研究するかたわら、イシュープラスデザインで防災や脱炭素をテーマに研修プログラムを各地で企画し実施している。
開催概要
日時:2023年3月7日(火)19:00~21:30
会場:エコラボカフェ(群馬県高崎市
定員:40名
内容:
1.導入:気候危機・脱炭素の基本知識
2.ゲームプレイ:カードゲーム型プログラム「脱炭素まちづくりPLAY!」による脱炭素まちづくりシミュレーション
3.振り返り
主催 issue+design
協力 富所哲平(SDGs芸人・群馬県住みます芸人 アンカンミンカン)、高井俊一郎(群馬県議会/山名八幡宮)、内藤聡(エフエム群馬)、牧山沙弥香(群馬クレインサンダーズ)
運営 大野友(issue+design)