8月神戸市環境局環境創造課様にお呼びいただき、
神戸市役所共催、市民向けの脱炭素まちづくりカレッジを開催しました。
本カレッジは、神戸市の温暖化対策素案をベースに実行計画を考えていく神戸ゼロカーボンアイデアの一つとして実施。
神戸市役所職員様、学生、環境推進団体の方約20名にご参加いただきました。
内容は、午前:脱炭素まちづくりPLAY!、午後:BASIC、DESIGNの3プログラムを実施。
まちの未来をシミュレーションする脱炭素まちづくりPLAY!
参加者は仮想のまちの住民(漁師・自動車販売工場・行政などの18のプレイヤー)となり、まちで経済活動をしながらもいかにCO2排出量を半減できるか考えるゲームです。
ゲームは全部で4ターン。ターン中は自由に交渉・プロジ
プロジェクトを実行することで、スクリーンに映し出された「CO2排出量」「再エネ事業指数」「コミュニティ指数」が変化します。
排出量を削減する為にプロジェクトを「実行したい!」と思っても市民の意識が醸成されていないと実行することができず徒労に終わります。そこで、参加者間で「このプロジェクトをすればまちの電力を賄うことができるはず。だから協力してくれないか?」「環境NPOの人材を集めている。誰かもってない?」など、声のかけ合いが起こりゲームが進みます。
各ターン終了後は、「結果レポート」があがりプレイヤーの結果を発表します。それぞれの削減結果と事業収益が出ます。想像よりも下回る収益にざわつく声も出ました。
周りの人に声を掛けてお金を集めながら、太陽光発電や風力発電設置プロジェクトなどを進んで行っていました。
ターンが最終になると開始の合図と共に一斉に立ち上がり交渉していくプレイヤーたち。
もう時間がありません。焦りながらも「確実に排出量を減らしていきたい」という想いが高まり、プレイヤーの垣根を超えて対話が生まれます。お金とプロジェクトの交換が活発になり、「稲作法の改正」や7,000万の高額事業などがどんどん立ち上がりました。まちに大きなプロジェクトが誕生していきます。
全員が目標達成を目指して行動した結果、排出量半減に成功!
まちに「スペシャルプロジェクト」が誕生し、稲作法の改正や、45種類分別等これらができたことにより、排出量が一気に削減できました。
ゲームを終えて出た感想は、
・自分は環境に関する団体なのでもっとアクションを起こしていきたいと思った
・脱炭素と聞くと我慢を強いられがちと思うが、これからは知恵を使って暮らしていきたい
・行政が部署を越えて横連携することができれば、ゲーム同様何か変わるのではないかと思う
・お金がまちに流れるとプロジェクトも動き出す。その結果、排出量を削減することができるとわかった
・これからは予期せぬ災害に備えて避難訓練や熱中症対策なども行っていくことが大事だとわかった
自分の5つの傾向を調べて書き出す
脱炭素まちづくりBASIC、DESIGN
午前中に体験した熱気をそのまま温存したまま自分の炭素の足跡「MYカーボンフットプリント」をシミュレーターで計測します。
*カーボンフットプリントとは、「どこ」で「どれだけ」CO2が排出されたかを見える化したものです。
「あ…移動が多すぎる」「趣味で使ってるなぁ」「私は、電気を切り替えているから少ないよ」など、見える化することで傾向が分かります。
その後は神戸市のカーボンフットと日本の平均値を比較し神戸の特徴を学びます。
*データは家計調査を引用しています。
神戸は全国平均値よりも少し低いことが分かりました。
移動よりもレジャーが多い傾向です。会場からも頷く姿がちらほら見られました。
排出量の傾向が分かったところで、脱炭素まちづくりカレッジが推奨する80のアクション「脱炭素まちづくり80」のデータを元に、まちづくり・ビジネスの視点でアクションアイデアを考えます。
はじめに個人ワークでシートに気になるデータを書き出します。その中から、「まちづくり」「ビジネス視点」でアイデアを考え付箋に書き出します。最後に、模造紙に付箋を貼り付けて、同じグループの人とアイデアをシェアします。
アイデア:
・ジムで健康づくりするよりも、自然で遊ぶほうがゼロカーボンになるんじゃないか
・神戸市に張り巡らせている水路を使って、小水力発電をつくるのはどうか
・空き家や耕作放棄地でイベントを行い、物々交換をするのはどうか
・スロー配達の原理を真似して、「いつでもOK物流」というものを作るのはどうか
など、神戸ならではの地形を活用したアイデアも出てきました。
まちづくりカレッジ感想:
・自分にはない学びがあった。様々なアイデアを知れて勉強になった
・ドローンなどの新しい技術と今あるものをバランスを取ながら生活していきたい
・学生は自分一人では大きく動くことはできないが、神戸市役所の方のお話を聞いて社会経験力を感じた
。私も早く社会人になって行動したいと思った
・特定のプロジェクトが大事なのではなく、包括的に進めていくことの重要性を感じた
共催の秋田課長より
講義の内容にでてきたバルセロナの市民運動のように、神戸市も皆さんの意見をまとめてやっていきたい。
環境問題は「環境教育が大事」と言いますが、若い世代に負担を背負ってもらうとは思っていません。ただ若い世代が中心となり動かしていくことで僕らの世代、更に上の世代も応援しやすくなります。なので若い世代が持っている「巻き込み力」を発揮していただきたい。そうした神戸市民の活動でまちにうねりを作っていきたいと思った。
脱炭素まちづくりカレッジは初めての体験だったけれど、みんないい刺激を受けながらあっという間に終わりました。神戸市で広げるだけでなく、日本中あちこちで広がれば、それこそ機運の醸成になるのでは?と思いました。
開催概要
日 時|2022年8月4日(木)10:00〜16:00
会 場|神戸市危機管理センター 兵庫県神戸市中央区江戸町97
定 員|20名
内 容|
1. 導入:気候危機・脱炭素の基本知識
2. ゲームプレイ:カードゲーム型プログラム「脱炭素まちづくりPLAY!」による脱炭素まちづくりシミュレーション
3. ワークショップ:「マイCO2シミュレーター」を活用した個人の排出量可視化と対話
4. 講義:未来に向けたまとめの講義
5.脱炭素まちづくりに向けて個人とグループでアイデア出し
主 催|issue+design
依 頼|神戸市役所
運 営|
森 雅貴、藤田 智絵
あなたの地域や職場でも脱炭素まちづくりカレッジを開催しませんか?
脱炭素まちづくりカレッジとは、地域の脱炭素化を推進するための人材を育む学びの場です。気候危機や脱炭素の基本知識を習得し、ゲームを通じて地域排量排出半減実現へのシミュレーションに取り組み、個人や地域の排出量を見える化し何ができるかを考えるプログラムを提供しています。
私たち事務局に依頼をし開催をすることも、皆さん自身がファシリテーターになっていただき開催をしていただくこともできます。詳しくは下記から開催方法についてご確認の上、どうぞお気軽にご相談・ご依頼ください。