緊急時に市民に求められる「知識・情報・経験」を補い、個人の決断を支えます。

 

気候変動に伴い、大規模な風水害が全国各地で頻発しています。
平成30年の西日本豪雨、令和元年の台風19号で数百人規模の犠牲者が出たことは記憶に新しく、一人でも多くの命を救うための取り組みが一人一人に求められています。
日常生活とかけ離れた混乱したシーンで的確に判断するにはどうしたら良いでしょうか。

判断の材料となるのは情報・知識・経験です。

情報:正確な情報を入手する        

知識:警戒レベルの概念を知る、早期避難する

経験:小さな判断が命を脅かす危険を認知する

発災時は必要な情報を集め、自分の知識を総動員し、経験と照らし合わせて適切な判断を下すことが求められます。
そこで大規模風水害接近から通過までの24時間をリアルにシミュレーションすることが可能な、ロールプレイングゲームを開発しました。

ゲームの3つのポイント

①風水害をリアルに体験できるロールプレイングゲーム形式

①風水害をリアルに体験できるロールプレイングゲーム形式

⑴舞台は「とあるまち」
東西に川が流れ、高台、 住宅地のあるどこにでもあるまち。 漁師、SNS愛好家、服屋等いずれかの住民となりプレイします。

⑵リアルなニュース映像
まちの状況をリアルにリポートする映像が流れます。台風接近によりまちが刻々と変わり、プレイヤーは緊迫した空気に包まれます。

⑶選択時間は1分
災害時はスピーディーな判断が求められます。ゲームの中でも限られた時間で、命を守るためのアクションを1つ選択していただきます。

⑷ゲームのゴール
24時間経過時のライフポイント数により生死や負傷が決まります。 果たしてプレイヤーはゲーム終了時まで生き残れるのでしょうか?

②住民間の対話と協働

②住民間の対話と協働

このゲームは地域の公民館等で5-30人で体験することができます。 同じ場所に集まった仲間が協働し、自分の命を守るとともに、地域全体で死者が出ないことを目指すので、自然とコミュニケーションが生まれます。

また、コロナ禍で集合型のプログラムが難しいことや、外出が困難な方、イベント等に参加が難しい家族連れが参加できるように、オンラインのプログラムも用意しています。

ゲーム終了後には、この24時間を通じた学びと教訓を参加者同士で共有し、必要な知識を学べる講義が続きます。 車で移動する、ハザードマップを見ずに誤った情報で移動するなど、危険に陥った原因となる行動を振り返ることで、 単に講義で伝えられるのとは異なる深い気づきと学びを得られます。

③誰もが自ら開催できるファシリテーターの育成

③誰もが自ら開催できるファシリテーターの育成

2020年後半よりワークショップの開催が始まり、2021年1月より市民ファシリテーターの養成講座がスタートしました。全国に多数のファシリテーターが誕生し風水害リテラシーを高めるネットワークが生まれています。

ファシリテーターは、消防団、自治会役員、学校の先生、行政職員、企業の防災担当など多岐にわたり、それぞれが学校の防災教育、地域の防災イベント、企業の防災訓練などの場で実施しています。

この資格取得を希望される方は半日の研修を受講することで、このゲームを運営するスキルとキット、認定証が授与され、自らゲームを主催することができます。

体験者の声

大学生

大学生

従来の避難訓練では味わえない危機感があった。避難所の場所がどこかわからなかったので大怪我をしてしまった。今後はハザードマップを確認して動くようにしたい。

座学では得られない学びがあり、良かった。

主婦

主婦

子どもと一緒に参加させて頂きました。「自分がしっかりしないとこどもを守れない」という責任感をゲームで感じることができた。

こどもにも分かりやすいゲームで親子でドキドキしながら楽しめました。地域の防災訓練で開催してほしいです。

行政職員

行政職員

災害が起きたときに、「自助・共助・公助」というが公助の力だけでは限界がある。このワークショップは市民の自助・共助の力を養うことができる優れたプログラムだと思う。自治体でも導入をしたい。

愛犬家

愛犬家

「愛犬家」というプレイヤーになってゲームを体験しました。犬が行方不明になって探しに出かけたのですが、出るタイミングが悪く自分自身が大怪我をすることになってしまいました。

緊急時の優先順位を考えさせられるプログラムでした。家に帰ってハザードマップを見ておこうと思います。