認知症世界の
旅へ
認知症世界の歩き方
STORY 4

アレソーレ飯店

言葉も記号もない世界で、
あなたはどう生きていく?

認知症世界。この世界には、わたしたちが当たり前に使っている言葉や記号といったものが存在せず、注文方法が常識とはまったく異なる名店があるのです。

ここは、知る人ぞ知るレストラン。この店では、料理の名前を表す言葉が存在しないため、みんな「あれ!」「それ!」と言って注文します。そして、出てくる料理は、和食とも中華ともフレンチとも言いがたい、なんとも表現できないもの。
また、味を表す言葉は「やばゐ!」の一言。どんな料理を食べても、みんな口々に「やばゐ!」と満面の笑みで話しています。わたしも食べてみると、「やばゐ!」以外の言葉が頭にまったく浮かびません。まさに筆舌に尽くしがたい体験です。

心身機能障害

「アレソーレ飯店」に直面する背景には、
以下5つの認知症に伴う心身機能の障害が考えられます。

  • 抽象的言語・概念・記号の表す意味を想起できない
  • 固有名詞からその内容やイメージを想起できない
  • 使い慣れた日常単語・漢字・記号を想起できない
  • 文法・単語の組み合わせを理解できない
  • 自分の考え(意志・思い)を言語化できない