認知症世界の歩き方
STORY 3

アルキタイヒルズ

思い出のタイムトラベルから、
抜け出せるか!

認知症世界。この世界には、いつの間にかタイムスリップしてしまい、過去の思い出とともにどんどん歩みを進めたくなる不思議な街があるのです。

小高い丘に広がる高級住宅街・アルキタイヒルズ。不思議なことに、ここを訪れただれもが「懐かしいなあ」という言葉を口にします。実はこの街を歩いていると、それぞれの忘れがたい思い出が次々と、ひとりでに呼び起こされるのです。
現役刑事だった頃、一晩中張り込みした記憶。絶世の美女との夢のような1日。友人の科学者が発明した空飛ぶスケートボードで飛び回った思い出……。昔の記憶があたかも今、起きているかのように感じられ、夢中で当時と同じ行動をとってしまうのです。

心身機能障害

「アルキタイヒルズ」に直面する背景には、
以下4つの認知症に伴う心身機能の障害が考えられます。

  • 完了済みの経験や事象を現在進行中のものだと思い違える
  • 見聞きした話・情報を否定的に解釈してしまう
  • 誤りや事実でないことを正しいこと・事実と思い込んでしまう
  • うつ・不安状態・怒りっぽくなる