認知症世界の歩き方
STORY 11

二次元銀座商店街

【急募!】地図のない世界を
旅する方法

認知症世界。この世界には、何度訪れても必ず迷い、目的地にたどり着く前に必ず寄り道をしてしまう、摩訶不思議な商店街があるのです。

この世界でもっとも賑やかな通り、二次元銀座。この街では、目の前の風景が平面の絵のように見えるため、「近い」「遠い」という感覚があまりありません。目の前の二次元の景色がすべてなので、自分の位置を空から俯瞰して描かれた「地図」は存在しません。そのうえ歩いていると、東西はふいに入れ替わり、案内板の矢印はあらぬ方向を指し、目印にしている建物は突如消えてしまう、カラクリの街……。この街を歩く人々は、どうやって目的地に着くというのでしょうか?

心身機能障害

「二次元銀座商店街」に直面する背景には、
以下4つの認知症に伴う心身機能の障害が考えられます。

  • 左右や東西南北など、方向感覚が失われる
  • 平面(二次元)の情報から、空間(三次元)をイメージできない
  • 視界の範囲が限定される・狭くなる
  • 空間全体や位置の把握に必要なランドマークを記憶(記銘・保持・想起)できない