全国各地で開催予定の「脱炭素まちづくりカレッジ2026」の説明会を兼ねた、キックオフ会を1/28(水)にオンラインにて開催しました。
今回は脱炭素まちづくりカレッジのプロデューサーであるissue+designの森がプログラムの背景や内容についてレクチャーし、モデレーターのissue+designディレクターの小菅とトークセッションを行いました。各地域で活動するファシリテーターや各地での開催に参加を検討する方々にご参加いただきました!
※脱炭素まちづくりカレッジとは?
脱炭素まちづくりカレッジとは、気候危機や脱炭素の基礎知識を身につけ、持続可能なまちづくりや地域づくりについて学ぶことができるカードゲーム型プログラムです。
脱炭素まちづくりカレッジでは、参加者や時間、目的などに応じて、以下の3つのコンテンツを組み合わせたプログラムを実施しています。
①脱炭素まちづくり BASIC[知識習得]
地球温暖化・気候危機、緩和(削減)・適応に必要な市民生活やまちづくりの対策関する知識を学ぶ講義
②脱炭素まちづくり PLAY![未来体験]
行政・企業・金融機関などの地域プレイヤーとして、2030年までに地域全体の温室効果ガス排出量の半減に挑戦するシミュレーションゲーム
③脱炭素まちづくり DESIGN[実践]
地域や暮らしの排出量を見える化し、削減に向けたプロジェクトを企画・具体化するワーク
◼️当日のイベント概要
日時:2026年1月28日(水) 19:30-20:30
場所:オンライン(Zoom)
主催:特定非営利活動法人イシュープラスデザイン
レクチャー:森 雅貴(issue+design プロデューサー)
滋賀県生まれ。サセックス大学(英国)国際開発学部卒業。
学生時代は、アフリカでのスモールビジネスや欧州でのオープンイノベーションのフィールドワーク調査・質的調査研究に従事をする。
シンクタンク系NPOを経て2021年より現職。脱炭素まちづくりプロジェクトの立ち上げから参画し、現在ではプロジェクトリーダーを務める。
モデレーター:小菅 隆太(issue+design ディレクター)
株式会社Grau 代表取締役/Glass Rock共創コーディネーター
元経済産業省次世代モビリティ政策室週一官僚のキャリアを持ち、ソーシャル、ビジネス、パブリックのトライセクターをつなぎ、新しい共創モデルの創造に寄与する越境型コミュニティマネージャー。イベントプロデュース、ディレクションといった企画設計から、MC、ファシリテーター、モデレーター、広報PRまで、社会や地域の課題に寄り添うプロジェクトのコミュニティを活性化していくプロフェッショナル。
<当日のレポート>
イントロダクション
冒頭に、森からissue+designでの取り組みについて共有しました。
issue+designは、「社会課題に、市民の想像力を」を掲げ、2008年から活動している団体です。
デザインの美と共感の力を、より複雑で大きな社会課題の解決に生かすことを目的に設立されました。
これまで、さまざまな社会課題に向き合ってきました。代表的な取り組みの一つに、東日本大震災をきっかけに生まれた「デキマスゼッケン」があります。被災地のボランティア活動において、役割やスキルが見えにくいという課題に対し、色分けされた名札によって情報を可視化し、現場でのコミュニケーションを円滑にする仕組みをつくりました。
近年は、映像やゲームフィケーションを活用した災害対策コンテンツや、認知症のある方が見ている世界を疑似体験する「認知症世界の歩き方」などの取り組みにも力を入れています。
issue+designは、各分野の専門家という立場ではありません。
そのため、課題解決に意欲的な学生や主婦、高齢者など、いわゆる市民の皆さんと一緒に解決策を想像し、それを社会に広げていくことを大切にしています。こうした「オープン」である姿勢を通じて、社会課題の解決を目指しています。
こうした流れの中で、現在力を入れている取り組みが「脱炭素まちづくりカレッジ」です。
脱炭素まちづくりカレッジについて
まずは、気候変動の現状について紹介しました。
日本は温室効果ガス排出量が世界でも上位に位置しており、特に一人当たりの排出量や、フードマイレージ、食品廃棄など、日常生活に起因する排出が大きいことが指摘されました。実際、排出量の約6割は私たちの日々の暮らしに関係しており、気候変動は決して遠い世界の話ではないと語られました。
このまま進めば、災害の常態化、水不足、食料危機、感染症の拡大、文化の消滅、格差の拡大など、複数の深刻な影響が同時に起こりうるといいます。一方で、日本では特に若い世代を中心に、気候変動への関心や行動意欲が低下しているという課題も示されました。関心も行動も減少している現状の中で、どうすれば多くの人がこの課題を自分ごととして捉えられるのかが、大きな問いとして提示されました。
その問いへの一つの答えとして生まれたのが、「脱炭素まちづくりカレッジ」です。
2020年に事業を立ち上げ、2022年にリリースされたこのプログラムは、「2030年までに温室効果ガス排出量を半減させる」という目標を、自分ごととして考え、行動につなげるためのゲーム型プログラムとして設計されています。
プログラムの中心となるのは、カードゲーム型コンテンツ「脱炭素まちづくりプレイ」です。
参加者は、事業者や行政職員といった立場となり、市民、行政職員、企業、学校関係者など多様な参加者とともに、脱炭素プロジェクトを疑似的に実行します。
限られた資源の中で仲間を集め、対話と協働を重ねながら進めていく設計を通じて、経済・暮らし・環境がどのようにつながっているのかを体感的に学び、地域での具体的なアクションにつなげていくことを目的としています。
また、ゲームの前後には、脱炭素の基礎知識に関するレクチャーや振り返り、個人の排出量を見える化するワークなども組み込まれており、学びを行動につなげる工夫がなされています。
現在では、全国各地でファシリテーターが育ち、2022年の開講以来、38都道府県126地域で約450回以上開催され、延べ1万2,000人以上が受講しています。
最後に森さんは、脱炭素は立場の違いから分断を生みやすいテーマであるからこそ、対立ではなく、まちの未来を共に考える場が必要だと強調しました。デザインの力を通じて、多様な人が対話し、協働することが、脱炭素社会への確かな一歩になると語り、レクチャーを締めくくりました。
実践事例の共有
この場に参加されていたファシリテーターの方にもお声を出していただき、実際にどのように活動されているかや、そこで感じていることについて共有いただきました。
一人目は、福島県で活動されているファシリテーターさんの実践事例について紹介がありました。
身近な地域での実践から始まり、自治体、さらに県というレイヤーへと広げて活動されています。市民だけでなく、経済団体や産業界と対話しながら広げてきたことで、活動が着実に浸透している印象を受けました。
中小企業の経営者の多くは、環境活動を経済活動につながらないもの、あるいはコストだと思い込み、最初から距離を置いてしまいがちであるけれども、このゲームを通じて、経済活動と環境活動が実は密接につながっており、今後ますますその関係性が強まっていくことを、体験を通して理解してもらえると話されました。
また、企業活動だけでなく、市民一人ひとりの行動や取り組みの重要性も盛り込まれているので、良い結果だけでなく、悪い結果も含まれている点が特徴です。参加者からは、「悪い結果がなぜ起きたのかを深掘りしたい」「自社の経営活動と結びつけて考えたい」といった声もあり、振り返りを重ねることで学びを深めていけるプログラムであることも紹介されました。
さらに、子どもと大人が同じ場で一緒に参加できる点も、大きな価値として挙げられました。市民向けの場では親子参加も多く、子どもの視点からの発言によって、大人のほうが多くの気づきを得られると話していました。親子で対話しながら学べることが、脱炭素というテーマを自分ごととして捉えるうえで、非常に効果的だと感じているそうです。
最後に活動を継続するうえでは、オンラインでのSNSなどのグループでファシリテーター同士のつながりが支えになっていることを共有してくださいました。特に地方では一人で活動していると孤独を感じやすい中、オンラインを通じた交流によって他の実践事例に触れたり、刺激を受けたりすることが、モチベーションの維持につながっているとのことでした。定期的に集まり、気軽に話せる場があることの大切さも語られました。
参加者の層に合わせて、学び方を柔軟に変えて楽しさを伝える
続いて、防災をテーマにした風水害24のプログラムを主に活用しつつ、災害の背景にある地球温暖化へのアプローチも重要だと考え、脱炭素まちづくりカレッジのファシリテーター資格を取得された方にお話しいただきました。
現在は、学校関係や自治体での実施が多いとのことで、特に小学校などでは言葉が難しくなりすぎないよう工夫しているそうです。プログラムの中でも映像を中心に活用し、「こんな未来になったらどう思うか」を問いかけることで、参加者自身が考えるきっかけをつくっています。
また、活動においては、役割分担を意識して進めていると話されました。主催者や強い思いを持っている人が背景や考えをしっかり伝え、自身は「入口」として、「楽しみながらでも学べること」「知識を得ながら、どんなアクションが必要なのかをゲームを通じて一緒に考えられること」を伝える役割を担っています。
若い世代の反応については、子どもたちが学校で習う知識だけでなく、映像を通して強い印象を受けている様子が紹介されました。それは単なるショックではなく、「こういう未来になったら嫌だ」という感覚として受け止められ、そこから親子の対話へとつながっていく場面が多く見られるといいます。
次世代にこのテーマをどのように届けていくかという点について、現場での実践を通じて、その役割の重要性が共有されました。
今後のご案内
2月24日に福岡、同26日に名古屋、3月5日には東京で「脱炭素まちづくりカレッジ2026」にご参加いただけます!
今回は、会場や共催・協力者さまのご支援のもと、各回すべて無料でご参加いただけます。
ぜひ、この機会にワークを体験いただけると幸いです。
◼️vol.01:福岡 開催
日 程|2026年2月24日(火)
時 間|18:00〜21:00(開場:17:45)
会 場|NPOボランティアセンターあすみん(福岡市中央区今泉1-19-22 天神クラス 4階)
参加費|無料
申込み|Peatixよりお申し込みください(https://climatechange260224.peatix.com)
共 催|一般社団法人SDGs未来ラボ
ファシリテーター:小菅 隆太(issue+design ディレクター)
現地ファシリテーター:阿部 昭彦 氏(SDGs未来ラボ代表理事)
◼️vol.02 名古屋 開催
日 程|2026年2月26日(木)
時 間|18:00〜21:00(開場:17:45)
会 場|岡谷鋼機 名古屋公会堂 第7会議室(愛知県名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番3号)
参加費|無料
申込み|Peatixよりお申し込みください(https://climatechange260226.peatix.com)
協 力|深田 英揮 氏
ファシリテーター:小菅 隆太(issue+design ディレクター)
現地ファシリテーター :深田 英揮 氏
◼️vol.03 東京 開催
日 程|2026年3月5日(木)
時 間|16:00〜19:00(開場:15:45)
会 場|PYNT 竹橋(東京都千代田区一ツ橋1丁目1−1・パレスサイドビル5階)
参加費|無料
申込み|Peatixよりお申し込みください(https://climatechange260305.peatix.com)
共催:株式会社日建設計総合研究所
ファシリテーター:小菅 隆太(issue+design ディレクター)
現地ファシリテーター :洋谷 友子(公認ファシリテーター)
※リリース記事はこちら
1/7記事:「脱炭素まちづくりカレッジ2026」開催決定!
▶︎ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000020948.html
1/28記事:「脱炭素まちづくりカレッジ2026」東京開催詳報!3月5日PYNT竹橋にて
▶︎https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000020948.html
