脱炭素まちづくりカレッジin鹿屋工業高校
導入(開催背景)
鹿屋市役所市民生活課よりご依頼をいただき、鹿屋工業高校にて市の出前授業として実施しました。昨年度まで鹿屋市の副市長をされておりました脱炭素まちづくりファシリテーターの鈴木さんが市役所との調整、当日の運営もご一緒していただきました。
ゲームの様子
高校3年生33名が参加。当日は午前中に学校の持久走大会があり10キロを走り終えてからの午後「脱炭素まちづくりカレッジ」ということで、生徒さんの疲労が心配されました。が、最初のレクチャー部分から頷きながら話を聞いてくれて「この学校の生徒さんの集中力はすごいぞ!」と感心しました。
ゲームのルールも素早く理解し、ターン1のスタート直後からファシリテーター席の前にはプロジェクトを実行する為の大行列。ゲームの実況中継を鈴木さんがしてくださり、街の一体感がターン1から感じられるスタートダッシュでした。
ターン2になると、ゲームの本質を掴み、プロジェクトを効率よく実行することを考え、それに向かって行動し始め、コミュニケーションもより積極的になりました。さらに「気候変動によって、次はこんな災害が起こるんじゃないか」と予測したプロジェクトにも取り組み、予測した通りの発生した災害には「よし!きた!」とガッツポーズ。
ターン2終了後に10分間の休憩時間が取られました。休み時間にも関わらず、プレイヤー同士の情報交換、次なるプロジェクトの実施に向けた作戦会議は止まりません。
休み時間終了後、すぐに3ターンをスタート。3ターン終了後には排出量73、再エネ52、コミュニティ52。この街は行政チームが大量のプロジェクトを実行しており、街を牽引するチームでしたので、3ターン終了後の行政の排出量は早くも「0」になり、街の事業者たちを驚愕させていました。この行政チームは、最後の最後にとんでもないプロジェクトを実行したのです。
そして、最終の4ターン目。街全体でとんでもない量のプロジェクトが実施されました。なんとスペシャルプロジェクトも全16プロジェクト中12個が実行されました!ファシリテーターもこの熱狂に巻き込まれワクワクしっぱなしでした。最後の最後に、行政チームが10億のプロジェクトを実行!!プロジェクトは成功!!果たして排出量73からどのくらい減ったのか。ゲームの目標である50(半減)まで持って行けたのか…プレイヤーの皆さんもドキドキの結果発表。なんと排出量27!!3ターン終了時には街の事業者として最下位だった「農家」が4ターン終了時には街の事業者排出削減量ランキング2位に急上昇。街のプレイヤーから拍手喝采を浴びていました。
振り返りの様子
>行政チーム
行政チームが積極的にプロジェクトを実施したことで街に貢献することができたが、街の事業者の中には個人目標を達成することができなかった事業者もいたので、事業者支援も併せて積極的にすべきであった。
>農家チーム
最初にプロジェクトの本文もよく理解せず、お金も有り金を全部叩いてプロジェクトを実施し、それがトラッププロジェクトだったりして、どうしようと思った。街のみんながお金を貸してくれたり、パートナーを見つけてくれたりしたので、最終的には街で2番目に排出量を減らすことができた。みんなのおかげです。ありがとうございました!
>いつもは見えていない地域の排出量が見えるので、そのメーターを見ながらプロジェクトを実行することができた。
>どうすれば、もっと効率よくコミュニティの数値が上がるんだろう、プロジェクトのリターンにお金が出るものと出ないものがあるが、どのプロジェクトがお金のリターンが出るのだろうなど考えながら取り組んだ。
終わりに(ファシリテーターとしての感想)
ゲーミフィケーションが高校生ととても相性が良いことを実感しました。参加した高校3年生は来年の春には社会人となる生徒もおり、社会に出ていく前に社会全体で取り組む「脱炭素まちづくり」を学ぶ機会を一緒に熱狂できたことは私にとっても良い経験になりました。脱炭素についてゲームを体験しながら学ぶことで協働すること、コミュニケーションやプロジェクトの優先順位などについて体感してもらえたと嬉しく思っています。
ファシリテーター紹介
協力ファシリテーター:鈴木健太
東京と鹿児島県鹿屋市の2拠点生活をする鈴木さん。農林水産省に勤務し、多忙を極めているはずですが鈴木さんのFacebookを拝見すると気になるところ、会いたい人に精力的に足を運んでいます。鈴木さんは分身の術の使い手ではないかと思っています。(issue+design澤田)
開催概要
日 時|2023年12月12日(火)13:30〜15:30
会 場|鹿屋工業高校
人 数|35名
内 容|脱炭素まちづくりカレッジ
主 催|鹿屋市生活環境課