開催の背景
私の住む福島県いわき市では昨年11月にカーボンニュートラル宣言を表明しましたが、具体的な目標やロードマップは公表されておらず、行政と市民との温度差や理解度の格差を埋める方法の一つとして脱炭素まちづくりカレッジが最適ではないかと考え企画しました。
開催にあたっては運営会社の藤田さんにいろいろとご相談し、一方でいわき市環境企画課と中小企業家同友会いわき支部の後援をいただき、議員の有志の方、行政書士仲間、中小企業家同友会いわき支部、うつくしま地球温暖化防止活動推進員の仲間の皆さんに広くお声かけいただいた結果、40名を超える方が参加してくださいました。
様子
脱炭素まちづくりに必要な地球温暖化・気候危機、緩和(削 減)・適応に必要な市民生活やまちづくりの対策に関する知識を学ぶ講義コンテンツでは、初めて知ることも多かったそうで、真剣に聞いている姿勢が印象的でした。
ゲーム開始後のターンでは、自分の役割を意識しての行動が中心でしたが、中盤以降では他のチームの力を借りたり、反対に支援したりの行動が多くなり、全員がテーブル間を移動して積極的に対話している光景に変わり、最後は終了時間を忘れて没頭する様子を見てカードゲームの持つすばらしさを再認識しました。
振り返り
ゲームが終了しても参加者の高揚感がそのまま残っている状況で振り返りに突入。
実行しなかった、できなかったプロジェクトの結果を知りたがるチーム、実行できた重要プロジェクトがあったことを見逃していたチーム、排出量を上げてしまったプロジェクトの中身を再確認してハッと気づいたチーム、現実世界に置き換えたらどうなったか? など活発な対話が行われました。
マイCO2の見える化、地域のCO2の見える化、削減方法の意見交換の場面では、自分自身の行動パターンとCO2排出量の関連性や、私たちの住むマチのCO2排出量と全国での位置づけを初めて知る方が多く、驚きの反応が多く見られました。
参加者の声
今日感じたこと、印象に残ったこと
- 一人ではやれることが限定されてしまう。多くの人(企業など)と協力することが大切。
- CO2排出量を減らすには個人、企業、自治体すべての協力と意識を高めることが重要。
- いわき市が福島県で一番CO2排出量を出していることを知り、排出量を抑えようと思った。
- ゲームだと簡単に考えていたが、現実と同じような問題でつまづいたりと、リアルで楽しく学べた。
自分でも「できそう」と思ったこと
- エコ商品とか環境にやさしいものを使う。急アクセル、スピードの出しすぎを防ぐ。
- 加工食品が生産されるまでCO2が積みあがっているのをカーボンフットプリントで知ることができたので、購入機会を削減することから始めたい。
特に「やってみたい」と思ったこと
- ブルーカーボン、グリーンカーボンをやりたい。
- 2050年に向けた子供若者への環境教育の普及。
- 私もこのゲームを主催してみたい。
- 福島県内で協力してカーホボンニュートラルに取り組みたい。
- いわきの海でブルーカーボンをやってみたい。
- CO2削減に向けた個人、企業の取り組みのベクトル、動きを行政が音頭をとる。
誰かと一緒に「やってみたい」「やれそう」なこと
- 再エネ事業の加速化、化石燃料に依存しない日本社会の実現。
- 地域の人と連携した環境教育プログラム。
- このゲームを会社でもやってみたい。
- 行政と一緒に活動してみたい。
福島県中小企業家同友会 いわき事務所 所長 阿部雄飛様より、
ゲームを体験して分かったことは自らの役割をよく理解して、限られた時間においての戦略的アプローチを練ることが必要ということ。素晴らしいプロジェクトが民間にある場合は、官民の枠を超えた積極的な投資が必要。各役割の方とのコミュニケーション・調整が大事。利害調整の仕組み、同じベクトルを有する全社会参加型のプラットフォームの構築の必要性を感じました。一方で、ゆったりとしたぺ―スの余地はなく、猛烈なスピード感&危機意識の共有も大切と感じました。今回のセミナーは、全市民への意識醸成&ベクトル合わせのための有意義な会と思いました。ありがとうございました。
ファシリテーターより
いわき市のCO2排出量の推移を他の自治体と比較したデータや、いわき市カーボンニュートラル宣言についての情報をお知らせしました。CO2排出量を見える化することの大切さを実感した場となりました。
ファシリテーター紹介
大内政雄
行政書士/SDGsビジネスコンサルタント
福島県全域で、自治体・高校・NPO・企業・各種団体に対する、SDGs導入推進のコンサルティングやSDGsカードゲーム等のファシリテーターを行っている。
うつくしま地球温暖化防止活動推進員/中小企業119登録専門家
開催概要
【開催概要】
日 時 | 5/27土曜日 13時から16時(開場12時45分から)
場 所 | LATOV(いわき産業創造館) 6階「会議室-1」にて(福島県いわき市田町120番地 )
定 員 | 40名
主 催 | NPO法人issue+design
共 催 | 大内法務行政書士事務所・SDGsコンサルタント
後 援 | いわき市・福島県中小企業家同友会いわき支部