「みんなで就学活動」は、支援の必要なお子さんが 小学校に就学する時にご家族が遭遇する困難や悩みを知るとともに、 自分たちにとってより良い選択を描きながら就学できるようにするための “こうしよう”術を、みんなで対話し、つくりあげていくプロジェクトです。

‟どうしよう?”から ‟こうしよう!”へ ひとりでは“どうしよう?“となってしまいがちな就学活動も、 みんなで知恵を出し合えば、“こうしよう!“と思いを新たに、 新しい一歩を力強く踏み出すこともできるはずです。

「みんなで就学活動」では、 就学活動に必要な知識・情報を共有していくとともに、 同じ境遇にある保護者がゆるやかに繋がって、 各々の考えを出し合い、分かち合い、学ぶ機会をつくっていきます。

そして、支援が必要な子も、そうではない子も、 いつも隣にいて互いに心から笑い合える。 それが当たり前になる、誰もが生きやすい社会へ少しでも近づけるように。 就学活動が、そんな社会へと続くはじめの一歩になることを願っています。

就学相談・就学活動とは?

一般的に就学相談とは、「お住まいの自治体の行政機関で、障がいがあるまたは 小学校入学にあたり不安のあるお子さんについて、就学先を相談し、就学までの道 のりを協議する場」のことを言います。 しかし実際は、就学相談の場だけで就学先を決めることは難しく、自分たち家族 や先輩家族、医師、園の先生、学校の先生、行政など様々な人と連携して、子ども が学校で過ごす環境をみんなで整える必要があります。そのためここでは、「支援 が必要な子どもをもつ保護者が、子どもの小学校入学にまつわる選択・相談(就学相談や移行支援)・学校や自治体との調整内容などを行い、小学校入学に向けて実 施する活動全般」のことを『就学活動』と呼んでいます。

 

小学校入学までの3つの課題

障がいのある子どもが希望する小学校に入学するまでに、お母さんやお父さんが 悩むことを整理してみると、そこには大きく3つの課題が見えてきました。

一つ目は、「自分の子どもに合っている就学先がわからない」こと。小学校を選 ぶには、今の子どもの様子だけでなく、これから学校でこんな成長をしてほしい、 将来はこんなふうに暮らしていってほしい、といった長期的な視点が必要です。ま た、子どもにとって良い学校は、障がい種別や身体障がい者手帳の等級で決まるも のではなく、子ども一人ひとりの性格や取り巻く環境によっても変わります。判断 基準が多い中で、親としてプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。

二つ目は「就学活動中に起こる出来事を想像できず、関係する人とのやり取りが うまくできない」ということ。お母さん、お父さんも就学活動をするのは初めてで、具体的に何をすればいいのかわからず戸惑ってしまうこともあります。また行動し ていく中で、行政や学校、地域の人たちなどから、時に心無い対応を受けてしまい、 自分たちの意思を主張できなかったり、落ち込んでしまったりしてうまくやり取り ができないことがあります。

そして、最後三つ目は、「身近に相談・共感できる人が少ない」ということ。子 どもの性格や障がい特性、家族環境はもちろんのこと、就学の対応や環境には地域 差もあり、なかなか相談できる人に出会えないようです。また、家庭内でもお母さん一人だけが頑張るといった状況になってしまうこともあります。

 

3つのコンテンツ

小学校就学に孤軍奮闘する保護者の皆さんを支援するための3つのコンテンツを本ウェブサイトでは提供しています。

① BOOK:障害のある子と親のための小学校就学サポートBOOK

② SHEET:保護者の考え整理を支援する4つのシート

③ MOVIE:小学校就学で直面するトラブルを学ぶ動画