日程:2025年8月26日(火)-28日(木)
場所:
長崎県北松浦郡小値賀町(小値賀島・野崎島)

テーマ:海洋大国・日本における離島の価値

日本には14,000以上の島があり、かつて人びとは飢餓や弾圧からの逃避、資源の確保などを目的に島へ移住してきました。しかし現在は、漁業資源の枯渇や雇用の減少、流通の課題などにより、島を離れる人が増え、無人島が100以上にのぼるとされています。一方で、島は漁業や文化の基盤であっただけでなく、日本のEEZ(排他的経済水域)を構成する重要な領土でもあります。島の無人化は、国家の安全保障や海洋資源の管理にも関わる課題です。

このプログラムでは、長崎県の小値賀島と野崎島を舞台に、暮らし・環境・国交などの視点から、日本における離島の価値を考えます。

地域:小値賀島・野崎島(長崎)について

長崎県・五島列島の北端にある小値賀島は、雄大な景観から島のほとんどが西海国立公園に指定され、「日本で最も美しい村」にも選ばれる自然豊かな離島です。かつて捕鯨や漁業で栄え、1950年には約1万人が暮らしていましたが、現在は約2,000人に減少。町内の一島・野崎島は、禁教時代に移住した潜伏キリシタンの歴史を今に伝える場所で、集落跡は2018年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録されました。

本プログラムでは、かつては漁業で栄え、現在は人口が最盛期の約5分の1となった小値賀島と、2001年に最後の住民が離れ、実質無人島となった野崎島を舞台に、2泊3日の滞在を通じて「離島における海と暮らしのつながり」を体感します。

全国的に人口減少が進むなか、無人島は今後さらに増えていくと予想されています。
島は、島国の集積国である日本の縮図とも言える存在です。限られた資源とどう向き合うのか、変わりゆく環境にどう生業を合わせていくのか。そして、人がいなくなった島はその後どうなっていくのか――。

本プログラムでは、島の自然や歴史、そこに残された暮らしの痕跡にふれながら、島が抱える課題を掘り下げることによって同じく島である日本の未来について考えるきっかけをつくります。

スケジュール(案):

集合 8月26日(火)8:30   JR佐世保駅集合

解散 8月28日(木)13:30 JR佐世保駅解散

1日目:島と出会う

9:25–10:55   佐世保港 → 小値賀港(フェリー移動)

11:30–13:00 オリエンテーション(@あわび館)

13:00–13:30 小値賀港 → 野崎港(フェリー移動・昼食)

14:00–16:00 カヌー&シュノーケリング

16:00〜    休憩・入浴

17:30–19:00 ワーク

19:00〜    バーベキュー

2日目:無人の島を感じる

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6:00     |起床・朝食

7:00–12:00 |舟森トレッキング(野崎島探訪)

12:00    |昼食

13:00–17:00|ワーク

17:00〜   |海散歩

18:00〜   |魚さばき&夕食

3日目|未来を想像する

6:00     |起床・朝食

7:00–9:30    |ワーク

10:00–10:30|野崎島 → 小値賀島(フェリー移動)

11:00–12:50|小値賀港 → 佐世保港(フェリー移動)

※雨天・荒天時はプログラムを変更する可能性があります。

講師・運営メンバー

【エリア担当メンバー】

狩野真実
issue+design ディレクター/一般社団法人鎌倉さかなの協同販売所 理事

大学卒業後、アパレル勤務を経て魚屋に。2023年、神奈川県・鎌倉市にて新しいスタイルのまちの魚屋「サカナヤマルカマ」を創業し、海洋環境の変化に寄り添った魚食の提案を行っている。同年よりissue+designに参画し、「海のデザインスクール」など主に新企画の立ち上げに携わる。過去には五島列島を含む離島で、都市と地域を結ぶ交流型イベント「島コン」の企画運営も行っており、長崎県の離島とは特に縁が深い。


【運営メンバー】

中尾大樹
一般社団法人REPORT SASEBO代表理事/佐世保市職員

市職員として勤務しながら、2019年に地元長崎県佐世保の価値を発信する副業チーム「REPORT SASEBO」を立ち上げる。20~60代のメンバーと共に、倉庫街「万津6区」を拠点にコミュニティカフェ「RE PORT」やマイクロホテル「RE SORT」などを運営。地域商業者や自治会と連携し、「佐世保朝市」の刷新や「万津町公会堂」の活性化にも取り組む。行政・民間・産学の枠を超えた協働を推進している。

特定非営利活動法人おぢかアイランドツーリズム協会

小値賀島の抱える地域課題に真正面から向き合う観光組織として、2007年に設立。「観光を通して島の課題を解決するソーシャルエンタープライズ」を活動の基盤に据えてきた。自然体験事業、古民家事業運営、民泊事務局、野崎島管理、島の観光ワンストップ窓口など多岐にわたる事業を行い、持続可能な観光モデルを島ぐるみで築いている。約半数がUターン、約半数がIターンで構成されている。

===== 応募〆切【 2025年8月3日(日)=====

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