気候危機+DESIGN

interview

その3 気候への影響

豪雨や猛暑の増、降雨日や積雪量の減他、世界と日本各地の気候に影響

2022.08.22

気象と気候

気温の上昇に伴い、日本と世界の気候・気象が大きく変化しています
なお、気象と気候という言葉の違いは、大辞泉によると、次の通りです。

 

きしょう【気象】:大気の状態、雨・風・雪など大気中で起こる諸現象

きこう【気候】:ある土地で1年を周期として繰り返される大気の総合状態

 

「気象」とは大気の状態・現象を意味するのに対して、「気候」はある地域の恒常的なもの、特徴的なものをを意味する言葉のようです。本連載では、主に「日本」という特定地域の状態を説明するため、「気候」という言葉を用いることにします。

日本における9つの【気候】変化

日本各地で生じている気候の変化は、主に以下の9つにまとめられます。

  1. 気温上昇
  2. 猛暑日の増加
  3. 豪雨・台風の増加
  4. 冬日の減少、暖冬の増加
  5. 降雨日の減少
  6. 降雪量の減少
  7. ドカ雪の増加
  8. 落雷の増加
  9. 四季の変化・消滅

日本の平均気温は過去100年換算で1.24℃上昇と世界全体の0.74℃と比べると、かなり急激なペースで上昇しています。これは、日本が位置する北半球の中緯度は地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きいためで、日本が特別というわけではないようです。

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季節別では、冬(12~2月)は1.13℃、春(3~5月)は1.47℃、夏(6~8月)は1.11℃、秋(9~11月)は1.23℃の割合で上昇しています。夏・冬に比べて、春と秋の上昇幅が大きく、「夏が終わるとあっという間に冬が到来する」「冬の寒さを超えると、すぐに暑くなる」「春や秋の気持ち良い気候の時期が短い」、こんな私たちの生活の実感とも近いのではないでしょうか。日本が誇る四季の彩が確実に薄れつつあるのです。

日最高気温が 30℃以上の日(真夏日)及び 35℃以上の日(猛暑日)の日数は、ともに増加しています(国内13観測地点の1910年から2019年観測値による)。特に、猛暑日の日数は1980年代前半までは一地点あたり年間1-2日程度の年が大半だったものの、1990年代以降は2日以上、3日以上が常態化し、4日以上の年が5年存在しています。また熱帯夜(夜間も25℃未満に下がらない日)も増加しており、寝苦しい夜が増えています。

日最低気温が 0℃未満(冬日)の日数は減少しており(国内13観測地点の1910年から2019年観測値による)、近年暖冬が多いという私たちの実感通りであることをデータが示しています。冬が暖かく暮らしやすいという側面がある一方、全国各地でスキー等の冬のレジャーを楽しめること、世界有数の雪質や冬景色など、日本の誇る冬の魅力が損なわれつつあることも意味します。

1898~2019年の期間、毎年の降水量には大きな変化は見られず、雨の量自体は増えていません。また、台風の発生数にも大きな変化はありません。
ただし、雨の振り方や台風の進路に変化が見られます。
1日の降水量が100mm以上、いわゆる大雨の日が増加しているのです。また、1時間の降水量50mm以上の短時間強雨の年間発生回数も増加しています。降水量50mm以上の雨とは、「滝のような雨」と表現される集中豪雨の状態です。ゲリラ豪雨と呼ばれるような大雨が増えているという私たちの実感通りの変化が起きています。
また、台風の進路にも変化がみられ、今までは多くの台風が八重山諸島・宮古諸島など、沖縄の離島を直撃し、日本を抜けていたのですが、大型の台風が九州や本州に上陸するケースが増えています。

毎年の降雨量には変化はないものの、大雨の日は増えている。つまり、裏返してみると、少ない雨、適量の雨が降る日が減っているということを意味します。
1901~2019年の期間、1.0mm 以上の降水が観測される日数は減少しています。減少率は年間9.5日(100年換算)。年間10日も雨が降る日が減っているのです。

雨と同様に雪の量も減っています。年最深積雪(年間で最も積もった時の雪の深さ)は各地で減少傾向です。10年あたりで、北日本の日本海側で3.2%、東日本の日本海側で 11.4%、西日本の日本海側で13.5%減少しています。全国共通の傾向として、1990年代初めに大きく減少し、それ以降は少ない状態が続いています。

年間の降雪量は減るものの、短時間に大量に降り積もる雪、ドカ雪が地域によっては増えています。これは、気温や海水温の上昇により、海や地表から多くの水が蒸発し、大気中の水蒸気量が増え、雪を降らせる雲が発達することが原因と考えられます。北海道や北陸地方などでは、その傾向が強ま理つつあると言われています。2021年1月、北陸自動車道で1500台以上が立往生することになった、北陸地方(福井・石川・富山)の記録的な大雪がその一例です。

日本における雷の発生数は年によって上下変動が激しいものの、日本海沿岸や東日本を中心に長期的には増加傾向にあります。全世界的にもその傾向は強まっており、米国の研究によると、気温が1度上がると雷の発生数は12%増加すると示されており、今後の気温上昇による雷の増加が懸念されます。

参考資料

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「第五次評価報告書」2013年9月27日
環境省「気候変動影響評価報告書」2020年12月
文部科学省気象庁「日本の気候変動2020 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書」2020年12月
川瀬 宏明(2019)『地球温暖化で雪は減るのか増えるのか問題』ベレ出版
河原美沙希・内藤望(2021)「雷の発生頻度と気候変化に関する研究」広島工業大学地球環境学科内藤望ゼミ卒業論文
気象庁ホームページ

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