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interview

地球と日本の気温上昇

地球の気温は過去100年換算で0.74℃、日本の気温は1.24℃上昇している。

2022.05.09

世界の平均気温は0.74℃上昇

地球温暖化の影響で、地球の気温はどの程度変化しているのでしょうか。2019年の世界の平均気温は基準値(1981〜2010年の30年平均値)から+0.43℃で、1891年の統計開始以降、2番目に高い値となりました。

 

100年あたりに換算すると、0.74℃の割合で上昇しています。年による凸凹はあるものの、右肩上がりの傾向で、特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。

出典:気象庁ウェブサイトのデータをベースに編集部作成

最大4.8度上昇の可能性

IPCC第5次評価報告書によると、2100年末には温室効果ガスの排出量が最も少なく抑えられた場合(RCP2.6シナリオ)でも1.0℃(0.3〜1.7℃の範囲内)の上昇、最も多い最悪の場合(RCP8.5シナリオ)には3.7℃(2.6〜4.8℃の範囲内)の上昇と予測されています(いずれも、1986~2005年を基準とする)。

日本の平均気温は0.74℃上昇

さらに、世界全体と比べて、日本の年平均気温の上昇幅が大きいのは一目瞭然で、100年あたり1.24℃の割合で上昇しています。上下の変動は大きいものの、1990年代以降は長期トレンドを表す赤線を上回る年が大半であるなど、上昇傾向がより強まっています。

出典:気象庁ウェブサイトのデータをベースに編集部作成

最大5.1度上昇の可能性

環境省「気候変動影響評価報告書」によると、日本の年平均気温は全国的に上昇すると予測されており、2100年時点で全国平均気温は温室効果ガスの排出量が最も少なく抑えられた場合(RCP2.6シナリオ)でも1.0℃の上昇(0.5~1.7℃の範囲内)、最も多い最悪の場合(RCP8.5シナリオ)には4.5℃の上昇(3.9~5.1℃の範囲内)と予測されています。
同じ最悪シナリオにおける世界全体の年平均気温の上昇が3.7℃(2.6〜4.8℃の範囲内)であることを考えると、日本付近の上昇幅は世界平均を上回ると予測されています。
これは、これまでの観測結果から、北半球の中緯度は地球温暖化による気温の上昇率が高いという全世界的傾向によるものです。

また、最低気温の上昇幅が最高気温の上昇幅よりも大きく、冬の上昇幅が夏よりも大きいと予測されています。
前者は一日の中での寒暖差(昼と夜の寒暖差)が縮むことを、後者は年間での寒暖差(冬と夏の寒暖差)が縮むことを意味します。
寒暖差が少なくなると、一見すると暮らしやすくなるように思えますが、寒暖差の存在は動植物の生育にも大きく関わっており、日本の生態系や食文化への影響が懸念されます。

都市別の気温上昇

日本全体以上に深刻なのが大都市の気温上昇です。

地球温暖化に加えて、熱を蓄積しやすいコンクリートの増加、自動車や冷暖房機などの熱の排出の増加などが原因で都市部の気温が上昇するヒートアイランド現象の影響もあり、都市部が異常に高温化する現象が各地で見られます。札幌から福岡までほぼ全ての都市で年平均気温が約3℃(100年換算)上昇しています。また、最低気温も4-5℃上昇しています。

出典:気象庁ウェブサイトのデータをベースに編集部作成

参考資料

気象庁ホームページ
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「第五次評価報告書」2013年9月27日
環境省「気候変動影響評価報告書」2020年12月