認知症世界の歩き方カレッジとは

認知症の方が生きる世界、見える景色を学びたい!体験したい!
ご本人との付き合い方、抱える問題への対処法を学びたい!
自宅や施設、公共空間などの生活環境を改善したい!

そんな皆さんのための学びの場、それが認知症世界の歩き方カレッジです。

一人で自分や自分の大切な人のために、認知症の理解を深める時にも、
家族やご近所さん、地域住民で認知症のことを学ぶ時にも、
医療・介護・福祉に関する仕事につく皆さんがご本人視点で認知症のことを学ぶ時にも、
認知症フレンドリーなまちづくりを進める地方自治体の現場や研修を実施する時にも
企業の接客・商品開発部門などの方々が高齢者向けの商品・事業に取り組む時にも、
誰もが、認知症世界のことを楽しみながら学べるプログラムをご用意しました。

 

スキル・知識:習得できる3つのこと

1 認知症世界に関する知識、感覚的理解

認知症のある方が生きる世界、見える景色、直面するトラブル、抱える認知機能障害を映像やイラストとともに楽しく学び、頭でわかるだけでなく、感覚的に理解することが可能です。

2 認知症のある方との対話(ダイアログ)スキル

認知症の方とともに暮らすご家族や仕事で関わる専門職の方々が直面する具体的な生活ケース(トイレの失敗、お風呂嫌い、ものとられ妄想、深夜の外出)を元に、ご本人が抱える認知機能の障害を推理し、その状況にいかに対応するのか、ご本人との対話スキルを習得することが可能です。

対話(ダイアログ)とは、他者との言葉のやり取りを通じて、互いの思いを共 有し、関係を深め、ともに活動する原動力を生み出す手法を意味します。

認知症のある方とともに暮らす家族、介護職・ソーシャルワーカー・医師 などの専門職の皆さん他、全ての人が認知症のある方ご本人と言葉を交わし、 思いを汲み取り、より良い関係を築くために欠かせない技術です。 本書を通じて、認知症のある方が生きる世界を体感し、対話の技術を学ん だ後、身近にいる認知症のある方と言葉を交わし、その方の世界、景色、思 いを想像してみてください。今まで「理解不能」「訳がわからない」と思って いたことが腑に落ち、新しい発見があり、あなたの行動が変わることでしょう。 対話すること、相手の思いを想像することが、認知症とともにより良く生 きるための大切な一歩です。

生活ケースの一例

ワークショップで扱うケース一例(全10ケース)


ワークショップで使用する認知機能障害カード


その解決のための具体的アクションを考える発想アクションカード

3 障壁を取り除き、生活環境を整えるデザインスキル

具体的な生活空間を(リビング/風呂・トイレ/寝室/スーパー/駅)を舞台に、日常生活の障壁となるポイント、トラブルの原因(空間、情報、物品、サイン等)を発見し、デザインによる解決スキルを学習することが可能です。

デザインとは、人間の持つ「創造」の力で、私たちが生きる環境を美しく 整え、社会課題・地域課題・生活課題を解決する手法を意味します。

認知症のある方が抱える生活のトラブルの大半は環境側に問題があります。 迷いやすい商業施設やサイン、使いにくいATM や券売機、複雑な手続きが 必要な行政サービス……。この社会には高度な認知機能なしでは達成できな いことがあふれています。そんな時代に誰もが必要なスキル、それがデザインです。自分の身の回り の生活環境を美しく整えることで、多くの障壁がなくなります。認知症の ある方自身が、家族や支援者が、ともに生活環境をデザインすることで、 より充実した人生を送ることができるでしょう。多くの企業や行政が認知 症のある方ご本人の視点によるデザインを取り入れれば、日本は劇的に暮 らしやすい社会に変貌を遂げることでしょう。

環境ケースの一例

ワークショップで扱う環境ケース一例(全5ケース)